バリ島から商品を個人輸入して販売するビジネスを始めようとしている人に、まず知ってほしい4つの基礎知識お伝えする。その基礎知識とは関税、原産地証明、買い付け、販売規制の4つだ。この4つの基礎知識をしっかり学ぶことで、失敗せずに、しかも長期的に稼げる個人輸入ビジネスができるようになる。主婦の在宅ワークや、時間が限られているサラリーマンの副業としてある程度は稼いでいきたいという人にとって重要な基礎知識になる。
バリ島個人輸入ビジネスは、バリ島(その他インドネシアを含む)から商品を輸入して販売するビジネスなので、国内にある商品を転売するビジネスとはやり方が異なるからだ。また、中国やアメリカなどの国から輸入販売するビジネスと比較して、関税が極めて低いというメリットがある。この4つの基礎知識は、普段の生活の中ではあまり関係のない分野なのでしっかりと学んで欲しい。今回は難解な貿易や法律のことを「バリ島個人輸入」という個人でできるレベルで、わかりやすく解説しているので、リラックスしながら楽しんでみてほしい。
なお、以下の記事も合わせて読んでほしい。
→【副業する人必読】バリ島個人輸入を絶対に失敗しないで稼げる方法
→【バリ島個人輸入】儲かる商品をキーワードから発見する方法
1.バリ島個人輸入の関税
2.バリ島個人輸入の原産地証明
3.バリ島個人輸入の買付け
4.バリ島個人輸入の販売規制
1.バリ島個人輸入の関税
バリ島を含むインドネシアから輸入するときの関税の基礎知識として、無税となる条件や関税がかかるもの、関税率の計算方法、関税コードについてお伝えする。中国やアメリカなどの国から輸入するビジネスと大きく異なるのは、日本とインドネシアとの間で経済連携協定(以後、EPA協定という)があり、EPA協定関税率が適用されるからだ。
1-1)日本・インドネシア経済連携協定(EPA協定)
経済連携協定(Economic Partnership Agreement:EPA)とは、2国間の関税を撤廃するなどの通商上の障壁の除去、経済取引の円滑化、サービス・投資・電子商取引などの経済分野での連携を強化し、協力していく条約だ。日本とインドネシアは、2008年7月発効されて、段階的に関税率が下がってきており、現在ではほとんどの物品が無税になっている。
さらにEPA協定により、無条件で無税(ゼロ)になる条件がある。その条件は、課税価格が20万円以下でインドネシア原産であればよい。関税が無税になることで、中国やアメリカなどの輸入ビジネスに比べて、商品の仕入れ価格を抑え、利益率を上げて稼ぐことができるのだ。ただし例外として、次項で解説する「関税がかかる物品」はEPA協定関税率が優先的に適用される。
バリ島を含むインドネシアから輸入する関税の関係は、上記概略図のようになっている。まず、インドネシア(バリ島を含む)からの輸入品については、EPA協定税率が優先される。原産地証明などがない場合には、WTO協定税率になる。また、WTO税率が適応されない場合には基本税率になる。なお、個人的に使用する目的で、課税価格が1万円以下の場合は無条件で無税になる。
1-2)関税がかかる物品
日本は国内産業の保護のために、関税を無税としない物品を2つの規則で指定している。一つは、「少額貨物の簡易税率を適用しない貨物」で、二つ目は「関税を免除することを適当としない物品」になる。この2つに指定された物品は、20万円以下であっても関税率表に提示された関税率が適用される。インドネシアやバリ島からの輸入の場合は、この2つに指定された物品でも、EPA協定税率→WTO協定税率→基本税率の順番でが適用される。
①少額貨物の簡易税率を適用しない物品
関税定率法施行令の第1条の3に規定されている物品は、以下の表にように21項目になる。詳細は関税定率法施行令(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S29/S29SE155.html)を見てほしい。
少額貨物の簡易税率を適用しない物品リスト
No. | 品名(概略) | 関税コード(概要) |
---|---|---|
1 | ミルク、クリーム等 | 0401~0405 |
2 | 雑豆(乾燥した豆) | 0713 |
3 | 穀物 | 1001~1008 |
4 | 穀粉等 | 1101~1109 |
5 | 落花生及びこんにゃく芋 | 1202.30.011~1212.99.190 |
6 | 豚肉及び牛肉の調製品 | 1602.41~1602.50 |
7 | ココア調製品 | 1806.20.311~1806.20.322、1806.90.311~1806.90.322 |
8 | 穀粉・穀物の調製品 | 1901、1904 |
9 | 調製食料品 | 2101、2106(2106.90.248を除く) |
10 | たばこ | 2401~2403 |
11 | 精製塩 | 2501.00.010 |
12 | 石油 | 2709~2711 |
13 | メントール | 2906.11 |
14 | 原皮・革 | 4101~4115 |
15 | 革製品 | 4201~4206 |
16 | 繭・生糸 | 5001~5002 |
17 | ニット製衣類 | 6101~6117 |
18 | 履物 | 6401~6406 |
19 | 身辺用細貨類(卑金属製以外) | 7117.90 |
20 | 革製の携帯用時計バンド | 9113.90.110~9113.90.210 |
21 | 革製の腰掛けの部分品 | 9401.90.021~9401.90.029 |
②関税を免除することを適当としない物品
関税定率法施行令の第16条の3に規定されている物品は、以下の表の18項目の物品になる。詳細は関税定率法施行令(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S29/S29SE155.html)を見てほしい。
関税を免除することを適当としない物品リスト
No. | 品名(概略) | 関税コード(概要) |
---|---|---|
1 | 米 | 1006 |
2 | 甘しゃ糖やしょ糖類 | 1701 |
3 | 砂糖を使ったぶどう糖 | 1702.30 2の⑴、1702.40の2、1702.60の2、1702.90の1,2,5の⑵のA |
4 | 調整食料品 | 2106.90の2の(2)A、E(a)のハ(ロ) |
5 | 革製のバック類 | 4202.11、4201.21 |
6 | 革製の衣類 | 4203.21、4203.29 |
7 | メリヤス編みまたはクロセ編みの衣類 | 6101~6110 |
8 | 乳幼児用のストッキング、衣類 | 6111 |
9 | スキーウェア、水着等 | 6112~6114 |
10 | ストッキング、靴下類 | 6115.10の1、5115.21、6115.22、6115.29 |
11 | スキー靴 | 6401.10の1、6401.92の1 |
12 | スキー靴、スノーボードブーツ類 | 6402.12の1 |
13 | 革製の履物 | 6403 |
14 | 毛皮を使った履物 | 6404.19の1、6404.20の1,2 |
15 | 革製の履物 | 6405.10の1 |
16 | 毛皮を使った履物 | 6405.90の1の(1),(2)のA |
17 | 本邦に入国する者がその入国に際して携帯し、又は別送して輸入する物品 | ー |
18 | 関税暫定措置法 (昭和三十五年法律第三十六号)第十四条第一項 (沖縄県から出域をする旅客の携帯品に係る関税の免除)の旅客が同項 の小売業者から同項 の旅客ターミナル施設等において購入した物品又は当該小売業者から同項 の特定販売施設において購入し当該旅客ターミナル施設等において引渡しを受ける物品であつて、当該旅客ターミナル施設等において輸入するもの | ー |
1-3)関税率の計算方法
関税率は輸入する貨物(商品)ごとに計算される。税関に支払う関税の計算方法は、基本的にCIF価格に関税率をかけたものになる。さらに、関税がかかる場合には、同時に消費税もかかるので合わせて計算し、納税する必要がある。関税が無税の場合には消費税もかからない。インドネシアルピアから円への換算レートは、税関の為替換算レートを使用する。最新の換算レートは以下を見てほしい。
→税関の為替換算レート:http://www.customs.go.jp/tetsuzuki/kawase/
CIF価格(Cost、Insurance and Freight)とは、貿易取引において最も多く用いられる取引条件の一つだ。輸出業者が貨物を自国の倉庫などから発送し、荷揚げ地の港(輸入港)で荷揚げするまでの費用をいう。商品の価格、輸出梱包費、輸出通関費、運賃、船荷保険料などが含まれる。つまりCIF価格とは、日本の港または空港に到着するまでのすべての費用を含んでいる価格になる。一般的には日本国内での輸送費は含まれない。
以下に関税の計算例として記載したので参考にしてほしい。
実際の関税率については今後商品ごとに分けて解説していくが、インドネシアやバリ島からの直送される商品の関税の多くが無税なので、仕入れ価格を抑えることができる。結果的に利益率を高く設定でき、大きく稼ぐことができるのだ。
1-4)関税率の調べ方
関税を調べるには、まず輸入する貨物(商品)の関税コード(以後HSコードという)を決定し、実行関税率表からそれぞれの協定や国別に関税率を読み取る。バリ島やインドネシアの場合には「EPA協定税率、インドネシア」の欄を見てほしい。
HSコードは下記のような構成になっている。最初の2ケタが「類」、上4ケタが「項」、上6ケタが「号」と呼ばれ、上6ケタが国際的に決められているHSコードになる。日本に輸入する商品については、そのあとに3桁が追加され、合計9ケタで、すべての輸入製品を番号化している。
日本の税関ではこの9ケタの番号を、HSコード(統計番号)として、輸入する商品ごとに細かく関税率が決められ、毎年3回~4回程度実行関税率が改正されている。
最新の実行関税率表は税関のサイト(財務省貿易統計)より確認できる。
→http://www.customs.go.jp/tariff/index.htm
ただ、この実行関税率表が非常にわかりにくい。「関税率表の解釈に関する通則」や「部注」、「類注」、「関税率表解説」、「国際例規」「国内例規」があり、関税率の取扱い方法が規定されている。これらをある程度理解しておかないとHSコードを正しく決められない。
例えば、シルバー(銀製)のガムランボールのHSコードは「7114.11-000」となり、基本税率は6.6%だが、インドネシアのEPA協定税率を適用すると無税となる。[2017/5/16現在]今後は、非常にわかりにくいHSコードをまとめ、HSコード早見表を作成して公開していく予定だ。HSコードさえわかれば、関税率は税関の「実行関税率表」から簡単に調べられるようになる。
2.バリ島個人輸入の原産地証明
バリ島を含むインドネシアから商品を輸入するとき、EPA協定税率を適用するには原産地証明が必要になる。原産地証明とは、その物品がインドネシアの原産であることを証明する「原産地証明書」と、輸送途中で加工がされていないことを証明する「運送要件証明書」が必要になる。そして、この原産地証明書と運送要件証明書を輸入時(通関するとき)に税関に提出して認可をうける必要がある。
課税価格が20万円以下で、インドネシアから直送する場合には原産地証明書は必要ない。ただし、インドネシア原産であることが条件であり、その証明として商品のタグやインボイスなどに「Made in Indonesia」などの表示が必須だ。もし、原産地の証明ができない場合には「WTO協定税率」になるので注意してほしい。
前述した「関税がかかる物品」にもEPA協定税率が適用されるので、原産地証明を取得しておけば、関税を安くできる。例えば、バリ島原産の革靴(HSコード:6403.20-022)を輸入する場合、EPA協定税率は「2%」であるが、原産地証明がない場合にはWTO協定税率が適用されて、「30%又は4,300円/足のいずれか高い税率」になってしまう。この場合の関税の差は課税価格の28%になる。[2017/5/16現在]
最近では材料や部品のグローバル化が進み「原産である」という原産地証明の定義が難しくなっているので、買付けする場合には原産地証明が取得可能かどうか、必ず購入先に問い合わせて欲しい。インドネシアの原産地証明書の記載方法にについては以下を参照してほしい。
→インドネシア協定原産地証明書記入例(http://www.customs.go.jp/roo/text/indonesia6.pdf)
3.バリ島個人輸入の買付け
インドネシアやバリ島から商品を買付けする方法は大きく3つに分けられる。「現地のネットショップから買付け」、「現地にて直接購入」、「買付け代行に依頼」という3つの方法がある。それぞれ解説していこう。
3-1) 現地のネットショップより買付け
バリ島やインドネシアの現地のネットショップにメールなどで連絡をとり、直接買付けて日本に送ってもらう方法だ。具体的には、メールで連絡をして見積りをもらい、海外送金し、商品を国際宅配便などで送ってもらう。着払いは受付けておらず、最低でも発送までに商品総額の半額以上のデポジットを送金する必要がある。
現地のネットショップにまだまだ日本に知られていないもの、素晴らしいものが多数ある。現地に行くことなく買い付けできるので、時間がない副業や在宅ワークとしてスタートするには、よい方法だ。今後は、バリ島から個人輸入できる現地のネットショップを掲載する予定なので、実際に個人輸入してみてほしい。実際に個人輸入してみると、いろいろな発見があるし、そのプロセスに慣れることも大事だ。
3-2) 現地にて買付け
ネットやインドネシアの友人などを頼って、現地に行って直接買付けをする方法だ。品質、価格、数量などを直接交渉できるので、かなり安く買い付けすることが可能だ。最初から全面的に信用せず、少量の取引から始めて少しづつ取引量を増やしていくことだ。その対応や態度で信頼できるかどうかを見極めてほしい。
現地から直接購入できれば、なかり安く買付けできるので利益率を高く設定でき、稼ぐことができる。そして、顔見知り(お得意様)になり何回も注文すると、相手からも信頼を得る事ができるようになる。ただし、交渉にはインドネシア語ができないと細かい交渉ができないので、通訳が必要となるだろう。
3-3) 買付け代行に依頼
現地に行かず、希望する商品をバリ島などの現地から購入して送付してくれる、買付け代行サービス会社に依頼する方法だ。インドネシアやバリ島在住の日本人が買付け代行サービスを行っている場合が多い。プロセスとしては、海外発送していない業者などから希望する商品を写真や型番などで指定し、買付け代行業者が商品を探し出して購入し、日本まで発送してくれる。
副業や在宅ワークとして個人輸入ビジネスをするには、現地に行かず、自宅に居ながら買い付けできるので、時間と手間がかからず便利なサービスだ。ただし、買付け代行サービスの手数料に大きな差があるし、実際に日本で売れる商品かどうかまでは買付け代行業者は関与しない。単純に依頼されたものを代わりに購入してくれる業者だということを覚えておいてほしい。
なお、弊社でも買付け代行サービスをしており、まず本当に売れる商品かどうかのアドバイスをしているので、効率的に失敗することなく、稼げる商品の買付けができる。買付けサービスのお問い合わせは以下からしてほしい。
→info@shouten-shimada.co.jp
4.バリ島個人輸入の販売規制
インドネシアやバリ島から個人輸入した商品を販売するには、消費者を守るために数多くの法律があり、必ず関係する法律は守ってほしい。主な法律としては以下がある。
1)特定商取引法
2)景品表示法
3)雑貨工業品品質表示法
4)家庭用品品質表示法
5)消費生活製品安全法
6)食品衛生法
7)電気用品安全法
8)薬事法
この法律以外にも、商品によって適用される法律が数多くある。以下に商品カテゴリーごとに関係する重要な法律を一覧表にした。ネットで販売するにはすべて「特定商取引法」や「景品表示法」を守る必要がある。
バリ島個人輸入ビジネスでは、正しく法律を守り、信頼を築くことで、長期間にわたってビジネスを続けること可能となるのだ。儲かるという理由だけで、安易に違法な行為はしないで欲しい。また、法律には規定されていないが、それぞれの業界のルールがあるので同時に調べておくことも大事だ。
商品カテゴリー | 関係する法律 |
---|---|
雑貨・バック・家具・アクセサリー | 雑貨工業品質表示法 |
アンティーク | 古物商営業許可 |
たばこ | たばこ小売販売業許可 |
食器・食品・キッチン用品 | 食品衛生法・家庭用品品質表示法・消費生活製品安全法 |
衣料品 | 家庭用品品質表示法・景品表示法 |
家電製品・照明器具 | 電気用品安全法・家庭用品品質表示法 |
化粧品・石けん・ボディオイル | 薬事法 |
医薬品 | 薬事法 |
以上のように、輸入する商品ごとに異なる法律があるので、今後カテゴリー別に詳しく解説していくので安心してほしい。
まとめ
バリ島から個人輸入して販売するビジネスを始めようと思っている人に、学んでおくべき大切な4つの基礎知識をご紹介した。特に主婦の在宅ワークやサラリーマンの副業として、個人輸入ビジネスをスタートする人には、しっかりと学んでほしい内容だ。
4つの基礎知識には、関税、原産地証明、買付け、販売規制があり、それぞれバリ島個人輸入ビジネスにおいては重要な項目だ。特に関税について、バリ島を含むインドネシアと日本の間にはEPA協定が締結されており、課税価格が20万円以下で、バリ島から直送であれば無税になる。
インドネシアEPA協定税率を適用するには原産地証明が必要になる。原産地証明には、「原産地証明書」と「運送要件証明書」があり、これらの書類を税関に提出することになる。EPA協定税率によって、無税または極めて低い関税率で輸入できるので、中国やアメリカなどの国からと比較して、販売価格を高く設定でき利益率も高くなり、大きく稼ぐことができるのだ。ただし、例外として無税にならない物品(革靴やシルバー、ニットなど)があるので注意してほしい。
買付け方法としては3つの種類があり、すべて自分でやってみることも良いが、副業や在宅ワークとしてバリ島個人輸入ビジネスをするには、上手く買付け代行業者を使ってほしい。また、販売時にも様々な規制があることもご紹介した。
バリ島個人輸入ビジネスで失敗しないためにも、以下の記事も合わせて読んでほしい。
→【副業する人必読】バリ島個人輸入を絶対に失敗しないで稼げる方法
以上「【バリ島個人輸入の基礎知識】関税・原産地証明・買い付けなどについて」として解説した。
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